皆さん、今年の初詣には行かれましたか、そして何をご祈願されたのでしょうか。
景気の回復でしょうか。それとも、1年の無事故安全祈願でしょうか。
この景気低迷の折、事業の継続を祈願された社長さんも多いと思います。
経営者の重要な仕事の一つに、『事業を継続し、常に成長させること』があります。
事業の継続を阻むリスク(障害)には様々なものが考えられます。例えば、自然災害があります。
地震や台風で事業の継続が困難になるかもしれません。
また、長引く不況で事業の継続が危ぶまれるかもしれません。
もし、重大人身事故を起こせばどうなるでしょうか。
リスクはこれだけではありません。事業の継続を阻む重大なリスクとして、労務リスクがあります。
ここ数年、従業員個人と企業の労務トラブルが急増しています。
行政処分の基準が強化された「飲酒運転」「社会保険等未加入」「最低賃金違反」、
そして過労運転、改善基準違反は労務トラブルに直結する労務リスクなのです。
企業の経営者は、この労務リスクを回避する努力が求められますし、
これを怠れば、労務リスクは事業の存続にとっての脅威となります。
企業には、労務に関する問題が潜んでいます。
困ったことに問題は分かりにくく、見つけても小さな問題だと軽く考えがちです。
そこで、つい労務リスクへの対処を先延ばしにする、
或いは隠すなどの誤った対処をとれば最悪の事態を招くことになりかねません。
まるで、リスクは落とし穴のようです。
落とし穴が分からなくては穴に落ちてしまいます。
また、それが落とし穴だと知らなければ、穴に向かって歩いていき落ちてしまいます。
また、穴の深さの認識が誤っていればどうなるでしょうか。
浅い穴ならば、幸いにも捻挫ですむかもしれません。
でも、深い穴ならばケガをしたり、最悪の場合は命を落とすかもしれないのです。
昨秋、行政処分の基準が強化されました。
基準が強化された項目は、落ちればケガだけでは済まない
大きくて深い落とし穴だと考えられるのではないでしょうか。
事業存続の為に、会社の中にどのような労務リスクが潜んでいるか洗い出しをする必要があります。
それは、経営者の目だけではなく、現場の目も加え、真剣に洗い出す必要があるのです。
2010.1.18
物流ウィークリー 掲載記事より