「社労士として運送事業者を支援している松本千賀子氏(オフィス松本)は、法令遵守は企業として当然の責務と断言する。「市民としての責任は、社会のルールを守り、働いて収入を得て、税金を払うこと。生活が苦しいからと言って法を犯せば罰せられ、社会で健全に生きていくことはできない」とし、「会社も『法人』という人。ルールを守り、適正な利益を上げ、税金を納める義務がある。利益のみを追求すれば、市民同様、社会から弾かれてしまう」とする。
また、「市民と違い、会社には事業の継続と従業員に対する責任もある」と指摘。「ルールを守り、税金が払える事業を永続的に存続させること、従業員の生活を守り、誇りを持って安心・安全に働ける職場を提供することが、会社には課せられている」と付け加える。
同氏は最近の行政の処分強化に対しても肯定的な意見を持つという。「社会保険の加入や最低賃金は、運送業界だけに適用される法律ではなく、あらゆる会社が当然守るべき法律」としながらも、「残念ながら、一部の運送事業者では、従来から法令遵守の意識が欠如しているのも事実」と嘆く。
これからの運送事業経営に求められることについて同氏は、「社会的責任とは何かを真剣に再考し、事業の永続的発展を図るうえで、どのようなリスクが想定され、その為に何をすべきかを常に考えるべき」とし、「具体的に対処していける事業経営者を目指してほしい」とメッセージを送る。」
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物流ウィークリー 12月14日 掲載